YAE MAEDA前田八重 籐・かずらのバッグ&アート

冷麺の思い出

投稿日:2021-08-22

物心ついたころには母に連れられ広島の中心部にある 「Kおばちゃんの会社」に遊びに行っていたが、小学校の高学年のころには高校生だった兄がその会社でアルバイトをしていたらしくて、兄の自転車に便乗して夏休みなどには宿題を持ってオジャマして何時間も過ごしていた。
親戚でもなく母の知り合いだったような記憶があり、彼女は独身だったが我が家は家族ぐるみでお付き合いして、彼女はでっぷりした体型であっさりしていて要らぬことは言わない人で、一緒に過ごして心地よかったのだと思う。

その時代に女性の社長も珍しかったに違いないし、女傑と呼ばれる人だったのかもしれないが、私が中学・高校のころには疎遠になり彼女も割と早くに亡くなってしまった。
兄も44歳の若さでガンで亡くなったので、今となっては誰にも聞けないないのが残念で仕方ない。


彼女が夏のお昼には近くの中華のお店から出前を取ってくれた、その「色あい」だけをいつまでも覚えていて、あれは何だったのか?と時々思い出していたが、ある時に「冷麺」だったのかもと思い至った、今なら冷麺の出前なんて珍しくもないけど、あの時代の子供には贅沢なことでした。

器の中にスジになって並んでいる黄・赤・緑だけの色あいだけを鮮烈に覚えていて、あの町の佇まいや会社の中のインテリアまでも蘇ってくる、懐かしい想い出で冷麺を食べる度に思い出す。


 

籐皮・かずらのバッグ&アート 前田八重
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